北海道の気温の低さと内陸性気候が生み出すドライパウダー。
水分量が極端に少なく、降った雪はいつまでも結晶のまま形を変えず、地面だけでなくトドマツの葉っぱやモモンガの頭にも積もっていく。12月の北海道の早朝まだ薄暗いうちから森を歩き始めると、そんな超ドライパウダーを体感できます。
日が昇ると気温が上がり、-5℃程度まで上がると魔法が解けるように雪の軽さが無くなり(とは言えそれでも十分軽く、ドライなのですが)すぐに結晶が溶けるように。極上のドライパウダーは膝上の積雪量でも足を上げることに負担が無く、すいすいと、まるで泳ぐように歩くことが出来るのです。
朝のエゾモモンガは日の出前、”航海薄明”と言われる時間帯に行動を開始することが多く、明るさは、目の前のヒトの表情は見えずシルエットが浮かぶ程度。30分前には巣穴の前でカメラをセットして、滑空してくるモモンガを待ちたいところ。
どの方角から飛んでくるのか、何匹戻るのか、巣穴の木に留まってすぐに戻るのか、それとも近くのハンノキで少し食事をしてから戻るのかなど、調べておくのもガイドの仕事。快適に観察できるように、素敵な写真が撮影できるように、全力でサポートさせてもらいます。
11月頃から数え切れないほど下見を繰り返して、少しずつモモンガたちと仲良くなり、色々な巣穴のモモンガたちと協力のもと成り立つこのガイド。ときには撮影や観察には向かない暗すぎる時間帯の登場だったり、雨の中傘を差して、ヒグマの気配を感じながら、吹雪のなかだったり、厳しい寒さもあります。
しかし、「うわ〜今日ゲストがいれば良かった!」と思う日が沢山あるのも事実。そんなときはガイドの約得として、ニヤリとしながら楽しませてもらっています。
モモンガたちが巣穴に戻り眠りについた7:00頃になると、小鳥のさえずりが聞こえ始めます。シマエナガが群れをなして移動していくので、あまりのんびりしていられません。薄暗い中、モモンガを狙っていた時とはカメラの設定やレンズを変える必要があるので要注意。よく観察していると群れの移動ルートを予測することができるので、先回りして向かってくるのを動かずに待つのがコツかもしれません。
双眼鏡を持つのが癖で、撮影の技術がなかなか上がらないのが最近の悩みでもあるのですが、カメラの世界もどこまでも深く、突き詰めれば面白いですね。キリが無いのかもしれませんが…。
新規開拓も進み、良い感じの巣穴が数か所、確保できている状況になりました。どこでモモンガを待つか悩めるのも贅沢。
滑空を撮るならサンライズのあそこか、モモンガまんじゅうを狙ってあっちか、まだ状況が把握しきれていない未知なる冒険でこっちか。
そんなふうに1日2回のモモンガタイムを毎日存分に満喫しているので、いつでもお裾分け致します。
ホームページのwinter guideの項目がまだ未完成ですが、ご相談いただければガイド内容など詳しいご案内をさせてもらいます。一緒に北海道のかわいい生き物を見に行きませんか??
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