さよならも言わずに

AM6:00/−19℃ 晴れ

昨夕の巣穴に到着してみると様子は変わっておらず、やはりあの後も出てきてはいないようだ。

出ていないので、戻ることはないだろう。辺りを見回して滑空する他のモモンガを探すが見つけることはできなかった。

陽が出てからは新しい痕跡を探し、さらに森を歩き回る。

何度も歩き、見るべき木はだいたい決まってきたが、それでも見落としがあり新しい発見があった。例えば糞は時間の経過でどういう見た目に変わっていくのか。雪の上に付いたおしっこの跡はどう変化するか。

一番の巣穴からモモンガたちがいなくなって寂しかったけど、不思議と野生動物を追うことの楽しさがそれを上回った。

この極寒のタイミングでどこに引越して、これから何をするつもりなのか。子育てをする準備??何かに襲われた?もっと簡単に食事ができる快適な巣穴を見つけた?

想像するとこれから来る春を予感させるような、わくわくする気持ちになる。きっと8匹はそれぞれ相方を探して、命をつなげていくだろう。追いかけるのは難しいが、どこかにヒントが落ちているはずだ。すでにいくつか目星をつけている、今後じっくりチェックしていこう。

これからも離れたところから少しだけ見せて欲しい。

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