朝、いつもと違うエリアのフィールド調査。
1時間ほど森の中を歩いて気になる巣穴をひとつ見つけた。少ないがおしっこと木の表面に糞がある。住んでいるとしたら1,2匹だろう。以前いないと思ったポイントも念のためもう一度見に行くと、やはり同じ程度の痕跡が…。もっと遅い時間に出てたのかもしれないのなら、また来るか。
それにしても少し歩くだけで、これほど多様な生き物が生息しているのかといつも驚かされる。キタキツネに野ネズミの足跡やうさぎ、鹿、テン、アカゲラやゴジュウカラなど小さな鳥たち。雪の下にはヒグマや他の動物が眠っているだろう。
エゾモモンガの多さから「モモンガの森」と勝手に名付けたけど、豊かな水が流れるこの森はとても寛容だ。
日没の出待ちは千歳からの友人夫婦をガイド。
モモンガが滑空して頭上を通り過ぎた時のふたりの良い笑顔を見れたのが、何よりも嬉しかった。暗くなるまで、木から木へと飛び移り次々と移動するモモンガたちを見送った。
7匹総出のお迎え。久しぶりに勢揃いとなり、有り難い。
一匹だけ高いところでしばらく僕らを見下ろしているのがいた。自分のレンズでは捉えることができず、薄暗いので双眼鏡でも表情はうっすらとしか分からない。写真中央を拡大すると両手になにかを持って食事をしているように見える。
まったく音を立てないので、一度目を離すと気づかないうちに飛び立ち、消えていることがあるが、このモモンガも次に見たときにはいなくなっていた。
一日の中で見れるのは朝と夕方の10分間ずつ。手足を広げて飛び立つ姿が少しおとぼけで、とても可愛らしく何度でもみたくなる。長い人生で考えると一瞬の貴重な時間。野生動物について考えを巡らせると、日常がちょっとだけ潤いますね。