フクロウが鳴いた

モモンガの朝は日に日に早くなり、翌日のガイドはAM4:30起床。早く寝ようとベッドで目を閉じると遠くで白鳥の声が聞こえた。静寂に包まれる冬と違って、夜でも気温が下がらず動物たちは活発になっている。

翌朝も温く、自然とのんびりとした気持ちに。この冬、寒さに耐えるために固くなっていた身体がほどけていく感じ。

春のモモンガの動きがどうなるか心配だった3日間のガイドですが、始まってみるとリサーチ通りと少しの予想外ありで、収支穏やかな雰囲気。肩の力が抜けて、ただただ楽しい時間を過ごせました。

薄暗いなか巣穴に着くと、まずやることは樹の上のモモンガ探し。どこに降りるか、何匹いるか、全体を見渡して状況確認。そんな作業も冬中繰り返すうちに感度が上がるのか、目に入るわずかな違和感で反応できるようになってきた。
日の出前の朝焼けの兆しが遠くの地平線に覗き、今日はもう手袋いらないなぁとそれを眺めて、頭上にはちょろちょろと枝先を走り回る2匹のモモンガのシルエット。ぼんやりと青い空を背景に伸びるハンノキの枝先と影だけのモモンガがとても美しくて見惚れます。

オジロワシの巣作りや、戻ってきたタンチョウ。樹液のツララはあったりなかったり、すっかり見当たらなくなったシマエナガ代わりに樹液を舐めるエゾリス。
Lodge Lucky Fieldの吉原さんと一緒に動くこともあり、安心感とやっぱりとても敵わないなぁという吉原さんのガイド。誰よりも愉しみ方を知っていて焦らず、的確。そして十勝の自然はどこまでも懐深く、今回もネイチャーガイド1年生の自分を受け入れてくれました。

夕暮れはモモンガ前にクマゲラのねぐら入り。
クィーンクィーンという鳴き声が少しずつ近づき、数分の間隔を空けオスメス両方が帰宅。雄が先に入り顔を出したり、引っ込めたり。
暗い巣穴からぬっと浮かび上がるくちばしと丸い瞳が不思議な魅力ですばらしい。しばらく鳴き交わしたり、コツコツと木を叩いたあと別の穴に入った雌。立ち去ろうと動いた所で警戒して雌が出てきてしまいました。どうなるか気になりましたがモモンガの時間が迫り、ここで撤退。

夕暮れのモモンガはガイドに徹して写真なしですが、暗くなるまで撮影して1日が終わる頃…ボーボーと響き渡るフクロウの鳴き声。
じわ〜と心に染み入る鳴き声で、締めくくりに相応しい至福のひととき。

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