フライは小さく、陽は短く。

毎日景色が変わる秋、どんどん葉っぱが落ちて見通しのよくなった河原。
ガイド中でも山葡萄や落葉きのこが気になるこの頃ですが、本州の禁漁がきっかけなのか何故かHPのアクセスが増えて、問い合わせが来るようになりました。秋のモモンガも同時進行で、釣り、モモンガ、釣り、モモンガ・・・と来年の分も含めて自分でも訳がわからなくなるくらいメールのやり取りにも追われています。

ありがたいことに秋の虹鱒のガイドも続けてご予約いただき、ゲストの皆様ありがとうございました。
難しい季節だからこその愉しみを分かち合うことができるトップのゲストばかりで、僕もまた成長することができました。

中でも忘れられないのがプールの反転流で下流を向いて静かにライズを繰り返す、この虹鱒。
反転流は時折、本流とぶつかり思いがけない動きを見せるのでどこからキャストするのか悩まされました。加えて水面を漂う無数の落ち葉に翻弄されて1日目は撃沈。予定を変更して次の日もリベンジすることに決めて、迎えたDay2はなんと先行者あり。
のんびり準備してたっぷり時間を置いてから昼頃プールに直行すると…昨日と変わらず反転流で浮かんでいてくれました。
ランチのおあずけが確定して恨めしいような気持ちと、釣られてなくてありがとう〜という気持ちと、そう簡単に釣られてくれるなという気持ちと、なんだか複雑。

立ち位置やプレゼンテーションは作戦会議のおかげで決まりましたが、前日と違いライズを観察しても何を食べてるのか判別ができません。晴れ間が覗くと高い空にカメムシとてんとう虫が舞っていますが、流下は少ない様子。ライズフォーム変わらず、静かに迎え入れるライズ。

アワフキか、アントか、数回結び変えて最後はやっぱり#18のX。
鼻先数十センチへ6xのティペットが静かに落ちて、フライは完璧に自然に漂い、ゆっくりと、ふわ〜と近づくニジマス。魚の口がパカんと開いたかと思うと、一呼吸置いてビシッとロッドが立ち上がって綺麗な弧を描きました。

鳥肌が立つような一連の流れに興奮しながら固い握手を交わし、ネットに収まる魚を見ると…あれ?なんかちっちゃくなった?!と大笑い。釣れない魚は大きく見えるのか、前夜からの期待感と妄想でのぼせ上がっていたのか、それでも素晴らしい対戦相手に敬意を表して、記念撮影。いつの間にか随分冷たくなった水に手が痛くなり、溜め息が漏れた天高く馬肥ゆる秋。
N田さん、最高でしたね!本当にありがとうございました。

しとしと降る雨なら良いのですが、最近はドバッと降る雨が多く、この季節は天候に悩まされます。毎日予報と睨めっこして、明日はどうしようかと考えながら眠る毎日。おかげさまで釣りができない日はゼロですが、もっと引き出しが必要ですね。

今のとことほぼドライなフライで、この秋を楽しめています。
このままラストまで行けるか?!

ああ、フライフィッシングがあって良かったと、特にシーズン終盤になると思います。川と森と魚たちに救われたフライマンは数限りなく、そんな思いを共有できる仕事は幸せです。

本州のフライマンの皆様、富良野エリアもなかなか良いので一度来てみてください。

さぁ、ワクワクするようなフライフィッシングを、もっと探しますよ〜。

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