どこの川も増水して釣りにならない!という日のためにどこの川も増水している日を狙ってフィールドリサーチをしている。夜中から明け方に掛けて屋根を叩く雨音と、雷。これだけ降ればまっちゃっちゃだぞ!と喜んで眠る変な釣り人になってしまった。翌日とさらに翌日、確かにどこの川も濁っていてどこも竿を出せそうにない。
いくつか心当たりがある場所があって、まずそのうちの1つのひと区間。
いかにも釣れ無さそうなちゃらちゃらした流れで気が進まず、ついつい鳥を探したりアキアカネを眺めたり。久しぶりに完熟した赤とんぼを見つけて見惚れてしまった。
そうこうしているうちにライズでもしてくれれば良いのに、水面は静寂。なんだかな〜と思いながらも渋々ロッドを繋ぎ糸を垂らす。小一時間やってみるも・・・やっぱり釣れない。
ふたつめの心当たりに行く途中、車の脇に生えていた一本の木が気になった。
町の90%が森林の南富良野、そこらじゅうで無限に伸びる樹木すべてに名前がある。これはヤチダモの芽。
対生か互生か、葉っぱの形、樹皮の様子、近づいて離れて、図鑑と見比べてようやくたどり着いて、ただの”木”だったものが”ヤチダモ”になる。ああ、これがヤチダモか〜と腑に落ちる。自分で見つけ出した答えは一生忘れない。
知っていることが増える喜びと、自然との距離が縮まる喜び。誰かにおすそ分けできるかなあ。
肝心の釣りは、わずかな可能性を感じただけで魚とは出会えず。
代わりに良い感じのモモンガの巣穴を発見。自分がモモンガだったら絶対使うという雰囲気のある巣穴。
拾う神あり、また冬に来よう。
さて、どこにあるか分かりますか??