ガイドしていると自分でロッドを持っている時とは違った発見が沢山ある。
魚を探すことに全力で集中して観察するからか、ライズの音に敏感になり、今まで見えていなかった魚影が見えるようになる。ライズや魚影を見つけてサイトフィッシングする場合、ゲストのティペットを確認して、ラインとリーダーが浮いているか、さりげなく見ておく。結ぶフライを気にする人は多いけど、ノットの確認までする人は意外に少ない。
ゲストのキャスティングに感心し、時に落胆して、自分ならこうする・・・を繰り返して、あとどれくらいここで時間を使うかを考える。ハッチのタイミングとライズ、ゲストの体力と安全。そして巡り合わせの運に感謝して1日が終わる。
あの握手も、この握手も、喜びと悔しさを共有できたことで幸せを感じる。
それでも夜寝る前に今日のガイドはどうだったかな、と考えることは多い。
もっとこうすれば良かった、こう出来た、そんな感じで思い出す。

それにしてもドライフライって、どうしてこんなに面白いのか。
「ライズしている魚は必ず釣れる」というのは自分の先生の言葉ですが、川を歩くたびに頭の中でこの言葉が点灯する。自然に寄り添うことが出来て、観察からヒントを導き出せば、いつかは必ず釣れる。これが結構、自分を勇気づけてくれる。
フライフィッシングのガイドで1番大事なことは、当然かもしれませんがゲストの安全。
2番目は再現性かなと最近思う。だからこそブラインドで釣れるよりも、サイトで釣るドライフライに魅力を感じる。リサーチで起きたことが、ガイドの時にも再現できるのか。いつもそればっかり考えている。
この再現性に関しては、とにかくプレミアムだと思う。これを見つけられるか、そうでないかでガイドの質が全く違ってくる。
大きい魚がいて、ライズして、釣りができる。それだけですが、この舞台にゲストを立たせることができるガイドでありたい。やってみて分かるけど、これがどれだけ難しくて特別なことかが身に染みるほど苦労する。
まだまだ少ないけど、自分で発見できたものとヒントを貰って見つけたもの。
フィールドと先人に敬意を持って大事に、そして末永くゲストをご案内する。
だからこそ、ガイドしたフィールドの情報や写真の拡散や、個人での釣行をご遠慮いただいています。







色々な方のご紹介もあり、ありがたいことに6月は集中してガイドができました。
やっぱり北海道のフライフィッシング、6月は特別で格別。
7月はまだ空きがあるおかげでリサーチも力が入ります。初めてのエリアを歩くことも増えて、少しずつ見えてくるものがあります。
かなり暑い6月だったので水温も上がり、魚は瀬に入り始めました。スペシャルなライズは減り、地道に川を歩きライズを探す日々です。川も山も生命感で溢れかえっているせいか、ライズの傾向が読みづらい気がします。
ゆっくり歩くこと。
静かにゆっくり歩けば、不用意に相手を驚かす事もなく、ヒントの見落としが減ります。焦ったり、イライラしていると自然への敬意に欠ける行動をしがちです。ほんと気をつけないとなぁ・・・。