冬のガイドを終えて雪も解け始めると気持ちが緩んでいき、同時に事務処理やHPのリニューアルなどにも追われ、珍しく1週間くらい家に篭って作業をしていました。エゾモモンガの繁殖シーズンで日中に巣穴から出ているという報告を受けても、我慢。シマエナガの巣作りもどうなったのか、気になるけど我慢。
ようやく少し落ち着いたかなという頃に、ふと10日くらい前に見つけていた巣穴が気になり夕暮れ行ってみることに。
普段のエリアと異なり標高もやや高めな場所、巣穴までスノーシューを履く必要があります。日没まで、あと1時間。少し締まった雪をギュギュッと踏み締めながら歩いていると、手も冷たくて2月のよう。ああここは、まだしっかり冬だなぁと嬉しくなってしまいました。
冬が終わってしまった場所と、まだ冬の名残りを見せてくれる場所。過ぎ去る季節に寂しさが込み上げますが、場所を変えればまだ最終列車に間に合うようで、あと少し楽しませてもらえそうです。
いつものように、なんとなく生き物の気配がする方へふらふらと歩いているとシマエナガやキバシリ、コゲラたちがハルニレに集まり、それぞれがねぐらに帰る前の食事に夢中になっていました。シマエナガは4羽確認できて2ペアで動いています。これが終わったら巣作りに戻るかなと淡い期待を持ちながら、夕暮れの優しい光の中、観察していました。行ったり来たりしながら、やがて距離を空けて飛び立っていく後ろ姿を追いかけ、肉眼で捉えつつも双眼鏡でさらに追います。すぐに小川のヤナギに止まりましたが、またどこかへ飛び見えなくなってしまいました。

日没が迫っていたので深追いせず、モモンガの巣穴に向かいます。
とても大きなヤチダモの高さ2メートルの位置に縦に空いた巣穴。痕跡などから、ここしか無いだろうと検討をつけて隣のアカエゾマツの側で待機しました。周囲に樹木が少ないので巣穴から出たモモンガは自分の頭上を越えて、後ろのハルニレに飛ぶだろうと予想しました。ハルニレの足元には新雪で消え掛かっていたけど、冬芽を食べた形跡が残っています。
溜まった写真を整理しようとカメラのファインダーを覗いて、次に顔を上げるとモモンガはもう巣穴から出ていました。
17:40、意外なほど周囲は明るくて、ここ最近の巣穴で一番良いのではという時間でした。出てきたのは2匹だけで、なんとなく既に交尾も終わり落ち着いた雰囲気です。

1週間前に夜中までプラス気温な日があり、日中は10℃前後。おそらくその辺りで繁殖行動があって分散したのでしょう。巣穴や周囲に残る痕跡は2匹以上、多分5〜6匹分だったので他はどこに行ったのか。
2匹のモモンガは予想通りに滑空して、最初の1匹は今シーズンのナンバーワン。淡い夕陽が包み、低速でふんわりと飛ぶ姿がまた目に焼き付き、緩んでいた気持ちが引き戻されるような光景でした。
しばらくは粛々と2匹のモモンガと遊ぶことになりそうです。
3月は変化の季節でガイドも苦労します。巣穴のモモンガたちは減ったり増えたり、定刻出勤も崩れて期待を裏切るハプニングも。だけどそんな3月にしか見られない姿があるのも面白いところで、寒さの脅威を免れたゲストと大いに笑った冬と春のグラデーションな日々でした。
エゾリスとモモンガの闘いとシマエナガの巣作り、ユキウサギの今後にも期待が募る出来事がありました。
一旦ガイドは落ち着きましたが、次は4月。グリーンシーズンの野生動物がどんな姿を見せるのか、どんな発見があるのか楽しみで仕方がありません。
フライフィッシングのガイドも予約が入りつつありますが、引き続き観察&撮影ガイドも受け付けています。
子育てシーズンに入るエゾモモンガも撮影が楽しみです。