あまり得意ではないフライのタイイング。釣り場が決まってから前日の夜に、あれ巻いとこう!と思いついて、いつも寝不足。先週の釣行でも河原でぱかっと開いたフライボックスの中身を見て、ううむと唸ってしまった。どれもこれもティペットの切れ端をくっつけ、スレッドはほつれかけ。壊れかけのコレが効くのよ・・・なんて強がってみたけど、ガイドしたフライ初心者の連れの毛鉤のほうが、やけに上品だったもんで。
重い腰を上げ、ようやく巻き始め。CDCダン、グリフィスナット、コンパラダンをTMC100#16と#18で。
虹鱒がよだれを垂らすようなでっかくてバルキーなフライが巻きたいなあと溜息をつきながら、なんだかんだで頼りになるよ巻いといて良かったよありがとうと思わせてくれる半沈みのCDCダンとコンパラダン。姿の見えないライズのときはグリフィスナットもローテーションに入れる。
あまり知られてないが、実はここ南富良野近郊でも良い鱒は釣れる。やや高い標高に位置しており、夏の盛りでも川によっては豊富な水量を維持している。水源は手付かずの原始の森で濁りが取れるのも早く、岩盤の川底からガボッと出て来る50オーバーのアメマスなんか堪らなく楽しい。少し場所を移せば虹鱒の川、抜群の渓相でかつ釣り人は少なく自分のペースで釣りができる。そして春と秋のかなやま湖でのイトウ、道内では朱鞠内湖など道北がメジャーなこの特殊な魚は、かなやま湖では中々釣れないものとされてきた。それでも毎年メーターに近い釣果の報告があり、産卵のため支流に上る姿を橋から覗くと明らかに大きいやつがいるのも事実。個体数もサイズも十分、それならかつての朱鞠内湖がそうだったように、誰かが何かを見つければ、状況は少しずつ変わるかもしれない。もちろん保全と利用のバランスを取りつつ、というのが前提です。
そんなシーズンに思いを馳せながらタイイングしていると、あっという間に1時間経っていて・・・でも全然足りない。
外に出られない日にまた巻き貯めよう。