ここ数年、冬になるとシーズンを終えてようやく暇のできたガイドの先輩方と釣り納めをする。
寒〜い、かなやま湖でロマン溢れるイトウ釣り。やっぱりなかなか釣れないのですが、穏やかならボートでのんびりガイドのことや他の釣りのこと、なんでも喋りながら竿を振る。雪が降っても風が吹いても顔をしかめながら、こんな釣りやるもんじゃないとか言いつつ竿を振る。
ざっざっというラインをリトリーブする時の服が擦れる音が、不意にキュキュッとテムレスグローブを握り込む音に変わり「おっ、なんだ・・・?うーんアメマスだ!」となってリリース、そしてまたお喋り。
年中ゲストに釣らせてきたガイドたちが無邪気に遊ぶ、かなやま湖。
南富良野町にはイトウの保護活動を続ける『ソラプチ・イトウの会』という会があります。
この町に住み始めてから自分も会員になり、春の産卵期間の巡視員や道の駅の水槽掃除、研究のお手伝いなど出来ることでイトウに恩返しをしたいと思っています。
この町に暮らし、自然の恵みをガイドという仕事でゲストにお裾分けして稼ぎ、子どもを育て、税金を納める。
農業や林業と同じようにネイチャーガイドやフィッシングガイドでもっとちゃんと生活できるようになれば、地方に住む人も増えて忙しい都会人の癒しにもなる。ガイドは自然の森番となる。
わざわざ数の少ないイトウを釣らないという人もいます。色々な考えがあって良いと思いますが自分の考えは少し違います。
見て触って、イトウを知るのに釣りは最適です。イトウの付き場を探り、水温をチェックし、ベイトを探しその生態を知る。風と雪、雨と波、そしてキャストし続けること。保全と利用のバランスが成立していれば、継続的に生き物について興味を持つことができます。
微力ですが、イトウの保護活動をしているとそれがよくわかります。
イトウに興味を持つこと、それ自体が保全活動でもあるのでしょう。
長い年月をかけて興味を持ち続けている人は、きっとそれだけで偉大な功労者です。
ぐるぐるとイトウについて考え続けることのある自分ですが、もっと考え続けてきた変態的な人を何人か知っています。
つまり何が言いたいのかというと・・・だんだん良くわからなくなってきましたが・・笑
守って釣る、釣って守る、どちらも対極ではなくて『保全』なのでは?
この冬は役場の研究者のお手伝いで湖のイトウの調査も行いました。
研究者目線と自分の感覚の違いに気が付くことができ、おかげさまで沢山のイトウを見ることもできたし、楽しい経験に。
間も無く結氷するかなやま湖、次のイトウシーズンは5月の春。
ボートの定員は1日ひとりですが、ガイドの予約にまだ空きがあります。シングルハンドの8番、水面下でストリーマーを引っ張る釣り。ぼーっと浮かび上がるイトウのでっかい頭のチェイス、ヒットと同時に爆発的なエネルギーで駆け引きが始まる、楽しい釣りです。春は暖かいので、おすすめです。
ぜひ、一緒に。