押しくらまんじゅう

二つ目の巣穴がなかなか見つからない。

数日前に少しの痕跡を見つけた場所だったが新しいものは見当たらず。せっかく来たので待ってみるも望み薄と知りつつ極寒での待機は辛い。空振りを繰り返したおかげで、出待ちをするかしないかの判断がつくようになってきた。この程度の痕跡の場合、営巣木である可能性は低い。

1991年に北海道大学が発表したエゾモモンガの巣穴の構造に関する研究報告に面白いことが書かれている。

「モモンガ類は主にねぐらや繁殖のために持続的に利用する巣 CPrimaryN est)の他に,捕食者の回避,採餌及び排便等のために一時的に利用する巣 CRetreator Secondary N est)を持ち,一般に後者には巣材を運び入れないことが知られている」

(北海道大学農学部演習林研究報告第 48巻 第 1号 冬季におけるエゾモモンガPteromys volans oriiの営巣木の特徴と巣穴の構造 中野, 繁; 日野, 輝明; 夏目, 俊二; 林田, 光祐; 稲葉, 芳和; 奥田, 篤志 p188)

今日自分が待っていた巣穴は”一時的に利用する巣”だったみたいだ。

二つ目は見つからないが、こういうことを実際に自分で納得できたのは良かった。

そしていつもの巣穴でも面白い発見があった。いつも7匹住んでいると思っていた巣穴から、昨日はなんと8〜9匹のモモンガが出てきた。途中で数がわからなくなったのでもっといたのかもしれない。

ここ数日ここらは日本で一番寒かった(−31℃)ので恐らく他の巣穴から何匹か合流したと思われる。あくまでも推測だけど、低い位置にあるあの巣穴を選んだ理由は「なかの空間が広く沢山入れるので暖かいから」じゃないだろうか。

つまり寒い時期ほど、痕跡が派手になるはず。まだ厳冬期、モモンガ探しの判断基準となる…??

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