秋のエゾモモンガ撮影ガイド3days

なんと、フィールドスコープ初めてのお客さんはヨーロッパ、スイスのヌーシャテルから来てくれた二人。エゾモモンガをメインにナキウサギやエゾリスなど、3日間のフォトツアー。
慣れない英語対応に苦戦しましたが自然やモモンガが好きなら心配無用。もっとこういう表現で話がしたい!というもどかしさはありつつも、探していた野生動物に出会うことができ、撮影を終えて笑顔で握手。それがどれだけ嬉しいか。

秋のエゾモモンガは不安定で、昨日居た巣穴に今日居なかったり、かと思えば昨日居なかった巣穴に今日居たり…。その原因は、冬と違い植物は葉っぱを付けていて食べ物が豊富にあること。まだ人に慣れておらず、気配を感じると真っ暗になるまで出てこなかったり、逆に早いうちに出てしまって、あっという間に飛んでいったりすること。避難用の巣穴を使ったりして頻繁に移動したりすること。
それだけじゃなく、ヤブ蚊やスズメバチ、熊の恐怖などの懸念もあり。なかなかベストな写真が撮れませんが、難しい反面、紅葉と夏毛のモモンガやキノコとモモンガなど、この時期にしか見ることが出来ないものでもあります。

夜行性のモモンガは日の出と日没、前後15分の2回が観察チャンス。彼らは真冬になるとひとつの巣穴に集団で暮らし、きっちり定刻通りに餌を採りに”出勤”しますが、気温の高い秋は分散してほとんどが単独で生活しています。
今回のガイドは3日間のうち2回ハズレを引きましたが、4回撮影が出来ました。この時期は特にギリギリの光量となるためレンズはF2.8からF4.0程度でなるべく明るいものがベターです。比較的、新しめのカメラであればISO感度を上げて対応できるでしょう。暗いため三脚は必須、特に冬は巣穴から出るのを待つ間にポケットで手を暖めることができるので、シャッターリモコンがあると便利です。
静かに巣穴に近づき、セッティングを済ましたらジッと待つのみ。整髪料や香水の匂い、枯葉を踏む音、服の擦れる音、他のカメラマンのいないプライベートガイドが殆どですが、だからこそ自分たちの音や匂いがより目立ちます。
朝は巣穴から出なくなったり、夕方は出る時間が遅くなって暗くて撮影出来なかったり、巣穴を変えてしまったり、モモンガにも人にも良いことはないので、可能な限りお静かに。

巣穴から出た後の撮影タイムは長くても10分程度。秋は短く、冬は長い傾向にあります。初めての方は寒さに耐えることができるなら12月からがおすすめ。難易度高めですが、静寂の森を木から木へと滑空するモモンガの撮影もチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

いくつかある候補のうちからどの巣穴を選ぶべきか、3日間とも非常に悩みました。天候や気温、光量などから予測を立てたり、違った写真を撮るために別の巣穴でチャンレンジしたり。
秋のモモンガの朝はとても早くて、巣穴によってはAM3:30起きになったりすることもあるのでモモンガタイムのあとは昼前まで休憩を入れます。朝食のあと仮眠を取りたいのですが夕暮れのモモンガをどこにするか悩み、目がぱっちり。
まだまだ引き出しが少ない未熟なガイド、足でカバーするしかないと思い休憩もそこそこに、あっちが駄目なときはこっちと下見を入念に。休憩後はエゾナキウサギ(Pika)を探しに山の上へ。

モモンガに比べるとややのんびりしているエゾナキウサギ。岩と岩の隙間から出てくると、冬に備えてコケや地衣類などの餌を集めているのを観察できます。「ピーッ」と甲高い声で鳴くのは警戒しているためですが、出てきたことを知らせてくれるので分かり易い。とは言え黙って出てきて黙々と食事をするやつもいるので要注意です。2日間で大・中・小といろんなサイズのナキウサギを4、5匹ほど見ることができ大満足でした。
モモンガと同じく冬眠しないので穴が塞がらなければ雪とナキウサギ、粉雪をヒゲに乗せた姿、なんかも見てみたくなりますね。標高が高いのでしっかりと防寒対策を取って、ぜひ一緒に行きませんか??

2日間、モモンガを追いかけ撮影にもなれてきたゲスト。相談して最終日のモモンガの巣穴を決め、明るい時間はタンチョウのリクエスト。他にも何かいないか、探しながら車をゆっくり走らせました。
最初に1時間ほどで子連れのタンチョウ夫婦を見つけ、フィールドスコープを出し観察。そのすぐそばでヒシクイの数百の群れが一斉に飛び立ちこちらも圧巻でした。
移動中にシマエナガの鳴き声が聞こえ、車を止めて探します。あの木の左、5、6メートルの高さ、もうちょっと下!英語で指示しますが、残念ながらファインダーには収まらず。シマエナガは素早くて難しい…。

その後、めずらしく河原に座り込むオジロワシを見つけ、しばらく観察することに。モモンガは近くて5mほどまで側に寄ることができますが、とにかく目が良い猛禽には中々近づくことができないため、撮影には超望遠レンズが必要。
ただ猛禽はジッとしていることが多いので、カメラが無くてもフィールドスコープでじっくり観察するのも面白いです。

そんなこんなで終わってみれば盛りだくさん。
今回はガイドなので撮りたい気持ちを抑え自分の撮影は控えめサッと少しだけ…ですが他にもいろんな生き物に出会うことが出来ました。遠くから来てくれて時差ボケと闘ったゲストと北海道の豊かな野生動物たちに大感謝です。

Field Scope guide serviceではフライフィッシングのシーズンが終わり次第、エゾモモンガや野鳥のガイドがスタートです。今回のレポートは秋のモモンガでしたが、安定して見ることが出来る12月~3月がベストシーズンといえます。

ガイドの依頼や質問など、こちらからお気軽にご相談ください。

To Benjamin & Sophie
thank you for coming from so!! far way. I will use gift carefuly.
Im looking forward to your nice photo. please send it Email.
see you next time at Momonga in winter Hokkaido 🙂

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