秋の渓流に後ろ髪を引かれながら、今シーズンのエゾモモンガのガイドのために巣穴の前で待ちぼうけしています。
寒さはそれほど気にならないのですが、久しぶりの早起きは堪えるもの。早朝4時に起床して、巣穴の前まで行くとフカフカの落ち葉のベッドで寝転びながら待つのが快適。
もう蚊もいないので、気を抜くと本当に眠ってしまうので、あまり真っ暗なうちに行かないようにしている。
念の為、釣り竿や道具も車に積んでおくのですが、日中も見ておきたい鳥や場所があって結局一日中、双眼鏡を持っていて、気がつくとバードウォッチングにも夢中になって、冬鳥にも挨拶して回る。
モモンガはまだ集合していないのですが、単独はおらず巣穴には2匹でいることが多い。
朝は気まぐれで、暗いうちに戻ることもありお客さんをガッカリさせてしまう日もあり、打ち合わせと違うじゃないかと文句を言いたくなる。誰よりも自分がガッカリして、お客さんに励まされ、野生動物の予測不能な動きに驚き、だから飽きない。
沼地では、まるで翼の具合を確かめるかのようにユリカモメが何度も浮かび上がっていた。
陽の光を反射する様子や背景と合わせて見入ってしまい時間があっという間に過ぎる。
そういう時は、自然観察というと観察対象となる鳥や哺乳類そのものにばかり注目しているけど、周囲の木々や空や風など含めてこそだなぁと気がつく。双眼鏡を覗いたりカメラを構えたり、あれこれやってそれを補足している。
ヒシクイやマガンは滑空して着地する間際に風を受けて減速する。その時に正面からだとお腹が見えるのだけど、首から腹、足の先まで見事な曲線と無駄のない動きで、一瞬重力を忘れて、それから静かに着地する。
人の作ったものでは絶対に再現できないことを、平然とやっておいてグアグアとトボけた声でみんなで鳴いている。
そんな空気感が写真から溢れ出てくれば、記録ではなく表現になる。残念ながら自分の写真は今のところ、記録写真という感じ。
難しいなぁ。
面白いなぁ。