モモンガの痕跡があってもひとつの場所に拘りすぎず、深追いしすぎないこと。痕跡があってもどうしても見つからない巣穴は忘れることにしました。相手は自然、どうやっても人の理解が追いつかず解明できないことはあるのです…釣りも同じですが絶対に答えがあって、解ると思い込むとこじれる原因になります。わからないことは分からない、仕方がない!
ということで、なるべく広い範囲を歩き通して明確なモモンガの巣穴だけを探す方法に変えてから、立て続けにアタリを引いています。
この巣穴は東向き、高さ0.5メートル、ひらけた林にあり光が多く入るので朝の戻り待ちに抜群に良さそうなポイント。夕暮れ16:40の出巣で6匹。巣穴の近くに枝は無いので出ると2メートルほど登って幹に止まり、トイレをしてから山頂を目指します。奥の斜面のエゾマツに3匹、手前のハンノキに3匹滑空。エゾマツ側はまだ追いかけてませんが、ハンノキに飛ぶ方は雄花を取ると少し幹を下り、4メートルの高さで食事をしてくれるのでシャッターチャンス。
夕暮れの曇天でもこれだけの光量があり、6匹もぞろぞろと出てくるので滑空の撮影も狙えて、比較的近くで食事をするので観察にも最高な巣穴でした。巣穴に薄っすらと積もる粉雪をモモンガが鼻先で押しのけながら出て来る様子は…かわいい!!と悶えるほど。5mの距離でも撮影は可能なので、フルサイズのプロ仕様の一眼レフカメラでどっしり構えて狙えばどんな写真が撮れるのか。
独り占めするには勿体無いエゾモモンガ。
ときどき小さな子どもでも見れますか?と聞かれます。絶対見れます!とは言えませんが、安全面だけはご安心ください。年配の方やお子様でもアクセスが簡単なポイントを確保しています。じっと静かに待つのが難しい場合はモモンガたちが巣穴から出るまで近くに停めた暖かい車中で待機して、巣穴から出てきたら呼び出しコールをするなど対策を取っています。
もちろん防寒対策をしっかりして静かな雪の森で待つ時間、気まぐれな野鳥が目の前に飛んできたり、アカゲラのドラミングが聴こえたり、これも至福。子どもにこそ味わって欲しいと思います。モモンガたちには悪いですが、たまには少しくらい騒いだって良いでしょう。見れても見れなくてもきっと思い出になるはず。
家族で、親子で、カップルで、ぜひ体験してみてください。
野生動物に対する心遣い。かわいい、綺麗だけじゃない自然の脅威も伝えることができたら。
ウィルダネスな環境で静かに動物を待つ、ただそれだけですが都市にいると味わえない心地よさを感じてもらえれば。
ガイドの自分はそっと気配を消して見守ります。
こっちのモモンガのほうが可愛いよ!早く!早く!とたまに大騒ぎしますが…。