マッチザハッチ!!

初夏、人の寄り付かないフィールドのリサーチばかり。今ここは釣れないという結果だけを持ち帰る日々に疲れ果てたとき、誰の采配かそろそろ良いだろうという感じで抜群にアタリが出ることがある。これがなきゃやってられないな〜という日。

気温が乱高下した6月。水辺の変化も凄まじく、次々入れ替わる水生昆虫に翻弄された季節となりました。

ユスリカのライズからカゲロウ。ヒゲナガなどの大型のトビケラからハルゼミ、そしてテレストリアルへ。豊かな森から絶え間なくごちそうを提供された鱒たちはラグビーボールのように太り、流線型の魚体には傷一つナシ。でっかいシケーダで喰わせれば、ダマサレタ!と気がついた瞬間ロケットのように走り出す。

各ポイントにはこんな魚が数匹ずつ待機。

つまるところ空振りでも観察の積み重ねが定期的に結果をもたらすのだと思う。今どこで何が釣れるのか、フィールドに立った時間だけがそれを教えてくれるヒントになり、自分の毛鉤に魚を届けてくれる。その分、下ごしらえは果てしなく…自信を無くすことも度々あるけど、つまりはそれが楽しくてフライフィッシングをやっている。

変化に富んだあるひとつの川。

フラットなプールでたった一つのライズを見つけたとき、川の流れは止まるわけもなく自分の後ろに流れていく。視野が広すぎるかもしれない。川の水を飲む鹿のように顔を水面に近づけるか、あるいは双眼鏡を覗いてみる。驚くべき事に、見えていなかった虫たちがゴマンと見つかる。足元の流れを手ですくうと5ミリくらいのカゲロウのシャックや、名前の知らない甲虫、魚にとってはスナック菓子?な艶々ボディの蟻がいる。あのライズはそのどれかか、はたまた自分の知らない何かであることは間違いない。

よく考えてからフライボックスを開けよう。ティペットのチェックを忘れずに。

さて、リアルタイムに進む問題の答えは…残念ながら出ないことが多い。それはつまり”自分の知らない何か”が知っていることより遥かに多いことを示している。自然が相手である限り、この”知っている”と“知らない“の割合をひっくり返すことはできない。それでもコツコツと知っているを増やすことはでき、それが観察であるといえる。

膨大な答えのなかから、幸運にもアタリを引き当てることがある。それは魚の気まぐれかもしれないが、狙ったライズであれば10センチの小魚であろうと飛び上がるほど嬉しい。いっぴきの魚の価値は釣り人の心持ちでまったく変わる。

5月、6月となんとかやりきった。これから季節がどう進むのか、自分に何をもたらしてくれるのか。自然に対する感性をちまちまとシャープナーで研ぎ上げて観察と経験の積み重ね。

見つけたのに未だ釣れない川のイトウや、あそこの虹鱒のヌシ。熊の気配漂う源流への旅やずーっと気になっている湖のあの場所のイトウ。まだまだ絶賛調査中!

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