続くリサーチと大切なこと

今年は例年より明らかに速い雪代の抜け。
山肌から雪が消えると轟々と茶色い雪解け水が流れるはずが、駆け抜けるような勢いですぐに透明度が上がってきたシーソラプチ川。暑くなったり、凍えるほど寒くなったり…寒暖差と子どもから貰う風邪でなんだか常に体調不良。

南富良野の各支流ではイトウの産卵遡上も始まってます。
今シーズンもソラプチ・イトウの会の活動として南富良野町より『イトウ保護巡視員』に任命されました。6月15日まで保護区を見回り釣りに来ている人を見かけたら声掛けして、移動をお願いしています。今年は雪解けが早いので重点巡回のスタートも早くなりそうです。

最近、宗谷地方のイトウに関する嫌なニュースが聴こえてきました。イトウの遡上する河川に大きく影響を及ぼす風力発電事業が計画されているとのことです。幻の魚イトウの聖域に風力発電 原発相当計画に「最大級」の懸念
猿払のイトウは2021年の夏に大量死があったばかりでもあり、現在も猿払村内での釣りは5月31日まで自粛期間です。風力発電所が作られようとしているエリアは北海道でイトウが生息できるであろう7つの水系のうち、4水系が含まれるとのこと。イトウに与える影響はかなり大きなものでしょう。自然相手は慎重すぎるくらいで丁度良い、本当にそう思います。この事業も慎重すぎるくらい考えて欲しい。

日々、自然と生き物を相手にしていると釣りだけではなく、あらゆるアウトドアが矛盾を孕んでいることに気付かされます。何をするにも人が入ると環境へ負荷は与えるものです。限りなく影響を押さえて、かつ安全にゲストに楽しんで貰い、やみくもに「大きな魚を釣ることや貴重な写真を取る」ためだけの行為になっていないか常に気にかけていたいところ。

ガイドにはフィールドの見守り人としての役目があります。毎日、川に立って森を歩いて、誰よりも早く変化に気がつけるようにしたい。だからこそ自分の行いにも人の数倍は注意していますが、すいません、それでも何度も失敗しています。。。なので、それはどうなの?ということがあれば遠慮なくコメントなど貰えると有り難いです。

そうやって常に勉強して遊んでの繰り返し。それが良いガイドに繋がるはず。
自分の未熟さを感じるとき、南富良野の森や川に励まされます。ガイドの未熟さが霞むくらい自然があまりにも素晴らしい。あとは自分のガイドさえ磨けば大丈夫だと後押しされるようです。
素晴らしい川があり鱒がいる、これを地道に伝えていくことが重要。細く、永く、大事なお客さんを待っています。

さて、そろそろ本格的にイトウ釣り。いつもの行者ニンニクを取って春を感じていたら、かなやま湖の貯水率は67%を越え立ち込める場所が減ってきました。この頃になると雪代が抜ける河川も増えるので釣人は減り、キャンプ場以外は静かな湖。ボートからの釣りが楽しくなります。
南岸のインレットでは水温は平均8℃前後となり、ワカサギの産卵も近い様子。どこでXデーとなるのか、それとも厳しいカナヤマイトウの現実を見せられるのか、見極めよう。

60センチのでっかいアメマスも楽しいけど、やっぱり大きなイトウに会いたい。
あんまり釣れないならニンフィングで春のニジマスに行っちゃうぞ…。

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